王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
敵である貴方方の力を頼るのは心外ですが、そうも言ってられないのでね。
もちろん情報を渡すなら貴方たちのことは助けてあげましょう。
私も鬼じゃない。まだ幼い少年に手をかけるのは心苦しいですし。
臨むのであればご家族も助けてあげましょうか。子供一人で生きていくのは寂しいでしょうから。
防護壁さえなくなれば、私は再びドラゴンを集め王都を襲撃する。
我が一族の悲願が達成される。私の手によって。
そのためにも、坊やのご協力が必要なのです。
悪い話ではないでしょう?
君のことをずっと見ていたので分かります。
坊やは国や人がどうなろうが構わない人間。自分一人が生きていれさえばそれでいい。違いますか?
そういう思考、私は好きですよ。
人間はどこかしら自己中心的な部分があるものです。