王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
少し我が強いだけ。君は私と少し似ているから分かります。
これ以上痛い思いをするのは坊やも嫌でしょう。
本来なら立っているのもお辛いのでは?
さあ、氷眼の民の隠れ里の在り処を教えてください。
私と、我が一族のためにも。さあ!」
一気に捲し立てたオメガ。
ドン引きのユリエスはさておき、肝心のレインは口元に冷笑を刻んでいた。
「黙って聞いていれば、悲願だの復讐だの虫図が走る。上から目線で物事を語って、神にでもなったつもりか?」
いや、お前も人のこと言えないぞ?
とは流石にユリエスは口にしなかった。
一応空気は読めるようだ。
「真実を教えてやる。貴様ら合獣の民はドラグノラ軍家に滅せられた弱小一族にしかすぎない。ただそれだけのことだ」