王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
だがそれにはキチンとした理由があったため納得した。けれどこの組み合わせだけには納得できない。
どうしてあの男がいるんだよ。
レインが気に入らない最大の理由は、流浪の民の代表・ベリルだ。
実は王都を立つ前にレインとベリルの間に一悶着あったのだ。
そしてもう一つ。月灯の民の代表達。
先ほどからワイワイガヤガヤとまるでピクニック気分で、緊張感が感じられない。
他人と全く接触しないレインにとって、賑やかな月灯の民御一行に苦手意識があるようだ。
一人無言で馬を操る。
すっかりムードメーカーになったマルタが話を振ってくるが、レインは無視して前だけをまっすぐに見つめていた。
「ちょっと、人の話聞いてる? 私たちはチームなんだから、もっと交流を深めようよー!」
無視。シカト。
マルタの眉間に皺が寄る。