王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
激戦
「お友達を庇うとは友情というものはなんとも美しい。そして美しいものが壊れる様は、さらに美しいと思うのだが、坊やもそう思うだろう?
あ、そうそう。マスターキーのあの子には睡眠魔法をかけておいたから。
あの銃、実は私が作った特製の物でね。弾丸に直接魔法を付加させることが出来るんだ。
私の溢れんばかりの才能に、私自身が恐恐してしまったよ。
秀でた才能は恐怖しか生まないと、実感させられたね全く」
「黙れ。さっきからペラペラと、ウザイんだよ!」
オメガの頭上に巨大な氷の塊が作られる。
「雹石!」
塊はオメガ目がけて落下したが、彼はなんなく避わすとなにもない空間から白銀の剣を出現させて手に取り駆け出した。
早い。
一歩一歩の伸びが長く、レインの懐にすぐさま飛び込む。
反射的に氷刀を逆手に持つと、横凪のオメガの刀身を辛うじて受け止めた。
火花が走る。氷片が舞う。
オメガは剣を払うと、釣られて氷刀も弾かれた。