王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
「……お喋りとは余裕だな。自分の周りを良く見るんだな」
「なに?」
氷刀を地面に突き刺すと、オメガの周りに散らばった雹が青白く輝き、氷山が生まれた。
囲むようにそびえ立つ氷山。肌を刺す冷気も生まれるが、それではオメガの身体能力を奪うには至らない。
子供騙しだ。オメガは剣を構えるが、すぐにその動きを止めた。
目の前にいるはずのないレインが突如現れた。
それも複数。
氷刀を片手にオメガを囲む六人の少年。
面白いと呟くと、オメガは剣を振った。
衝撃波によって氷山には亀裂が走り崩れ落ちる。
凄まじいパワー。氷山が崩れると六人のレインも自然に消滅した。
オメガの視線の先には、本物のレイン。