王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―

「貴様……玩具の分際で図に乗るな!」


足に刺さったナイフを抜くと、レインに投げ飛ばす。


身体をズラし簡単に避けると、オメガの顔から笑みが消えた。


冷静さを欠いていている。


オメガの能力はやっかいだが、感情に任せて暴走をすれば手に負えない相手ではないと判断した。


現に先ほど投げたナイフも、急所を完全に外していた。


いける。


レインはさらに揺さぶりをかける。


「貴様の能力は組み合わせ次第では無限大だが、どうやら一度に複数の能力を発動することは出来ないようだな。出来ても二つ三つというところか。
さらに、一つ一つの能力も対した威力はないことも分かった。純血の能力者の五分の一程度にしか満たないのだろう?
でなければ精霊術という高度な魔法を発動していながら、水素爆発という面倒な攻撃などしないはずだ。
真実を教えてやる。神だなんだと言っているが、貴様は多種多様の血が混じりあったただの雑種だ。
半端者の雑種(きさま)に、純血種(ぼく)が負ける道理などない!」
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