王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
「本当に多種多様の血が混じっていたとはな。プライドを忘れた雑種のサラブレットと言ったところか」
本当は体力も魔力も限界。
朦朧とした意識の中で精一杯の皮肉を口にすると、両目を隠している包帯に手をかけた。
結び目を片手でなんなくほどき、何重に巻かれた包帯をするすると解いていく。
包帯の下に現れたのは、氷眼の民特有の透き通るような氷蒼の瞳。
ではなく、金色の瞳。
瞳の色が違う。
オメガは不思議に感じながらも、少年にトドメを刺そうと息を吸い込む。
レインの周りに冷風が漂う。
身体中の痛みに耐えながら、晒した瞳をオメガに向けるとニィっと不気味に微笑んだ。
「氷帝降臨」
刹那、世界は氷蒼に染まった―――