王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
腕を外すと、太陽の逆光で影になる人影が視界に入る。
目が光に慣れると、人影の姿とその人物が手にしている物がハッキリした。
「……やはりな」
溜息混じりについた言葉は、冷たい空気に溶けて消える。
無表情の人影はレインの瞳をマジマジと見つめると、エメラルドグリーンのそれを強く握りしめた。
向けられた銃口。
「早く引き金を引いたらどうだ」
レインは言う。
ユリエスは拳銃の引き金に指を絡めた。