王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
氷の刃はベリルの剣によって妨げられた。
「真っ先に命を狙われたのは私だ。この女性は私に任せてもらおう」
レインは舌打ちをし、氷の刃を消した。
良い子だ。と、一言つぶやいてベリルも剣を収める。
子ども扱いされたことに腹をたて、わざと聞こえるように大きな舌打ちをした。
自分の馬に戻り、ベリルの行動を静観する。
どうせ生ぬるいことしかしないんだろう。
レインの予想通り、ベリルは自分の持っていた魔法石をいくつか女性に手渡すと、黙って女性が去るのを見送っていた。
任務失敗の責任を魔法石でチャラにしてもらうつもりなのだろう。
ベリルの提案。女性はそれを飲み、二度と討伐隊を襲わないと誓い去って行った。
レインは三度舌打ちする。
考えが甘すぎる。