王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
国王陛下。かつて氷眼の民が主君として仕えていた人物。
「兵が騒いでいたが、貴公であったか」
少年は国王へ歩み寄る。
すぐさま国王の側にいた屈強な六人の兵士が国王を取り囲んだ。
少年は数メートル離れた場所で片膝をついた。
「お初にかかります国王陛下。氷眼の民の代表、レインでございます」
国王は片手を上げて兵士を下げさせると、少年は見下ろしながら口を開く。
「裏切りの民が王宮になにようか。本来なら即刻打ち首だが、話ぐらいなら聞いて信ぜよう」
「はっ、流石平和ボケした王国の主。考えが甘過ぎて吐き気がする」
兵士の瞳孔が鋭くなる。
少年……レインはゆっくり立ち上がると、国王へ視線をぶつけた。
「『慈悲深い』と受け取っておこう。貴公の目的はなにか言うてみよ」