王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
王都から渡された情報はそれだけ。
これでは手の打ちようがないが、なにも考えずに突っ込むよりは幾分ましだ。
ベリルが率先的に指揮をとる。とはいえ、無知なる生物に対抗する手段などそう簡単にでるわけがなく、会議は難航していた。
レインは会議に参加することはなく、暖炉で揺らめく炎を見ていた。
パキパキと薪の音が耳に届く。
すぅーと睡魔が襲いかかるが、不穏な気配がそれを断ち切った。
ベリルとセシエル。エナも感じ取ったらしい。
スッと三人は立ち上がり、窓から外の様子を伺った。
「どうしたのエナ?」
「複数の邪気を感じた。多分、囲まれてると思う」
「ホントに!?」
「私とセシエルが様子を見に行く。君達は中にいてくれ」