王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
「それなら大丈夫。術の発動に必要な魔力はマルタが供給してくれるから、私はマルタの魔力をコントロールすればいいだけです」
「ちょっとエナ~人を電池みたいに言わないでよ」
「え? 違うの?」
「さすがにキレるぞテメェ」
ブツクサ文句を垂れるが、しっかり月から魔力を吸収。
二人は腰を下ろして地面に両手を置き、タイミングを合わせて魔法陣に魔力を注いだ。
強烈な閃光が走り、その場にいた人達は目を瞑る。
瞼をも通過する光。
セシエルはゆっくりと目を開けると、ヒューっと口笛を吹いた。
追手は全て消え、後にはなにも残っていない。
月光術と聖霊術のコラボ。
口では簡単に説明していたが、異なる二つの術を合わせるのは至難の業だ。