王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
「なんだ言え。言わねば凍りつけにするぞ」
「いや……さすがにまだ早すぎるというか……」
「子供扱いするな! さっさと言え!」
言えるわけがない。
なんとか話題を逸らそうと思案を巡らすと、ベリルがフォローに入った。
「なにがあった。壁の一部の模様が先ほどと変わっているが」
作り直した壁に手を当てるベリル。
急いで作り直したせいで多少の変化はあるが、僅かの変化を見逃さないベリルの観察力は流石といえよう。
「魔法を使える奴らが侵入してきただけだ。そいつは戦闘の衝撃に巻き込まれて気絶しただけ」
「そうか。で、なぜレインはユリエスの頭を踏んでいるんだ?」
「僕の趣味だ」
「やっぱりS……ぐほぅ!」