王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
「いつまでノビてるつもりだ」
突然の衝撃に男の意識が戻る。
拘束された身体に驚いたのか素っ頓狂な声を上げるが、レインの顔を見て眉間に皺を寄せた。
「正直に答えろ。お前達組織の目的はなんだ。なぜ僕達を狙う」
男は目を逸らした。
口を一文字に結び、抵抗の意思を見せる。
「そうか。言い忘れていたがその頭上の氷柱、根元の方が細く脆くなっていて、時間が経つと落下する仕組みになっている」
「なに!?」
氷柱から水滴落ちる。
こんな物が頭上から落ちてきたら、まず助かることはないだろう。
男の表情に曇りが見えると、レインはさらに攻め立てる。
両扉を徐々に閉める。