王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
裏側に取り付けられた鋭利な刃物。
「このままひと思いにやられるか、死のカウントダウンを刻みつけるか」
自分で決めろ。
刃が目前まで進んだ時。
「ま、待て!」
男が叫んだ。
「お、俺達はある人物にお前達討伐隊を始末したら莫大な金を払うっていうから、それに乗っかっただけだ! 理由なんて知らねえ!」
「ある人物? クライアントは誰だ。言え」
「知るわけないだろバーカ! そいつは用心深い奴で、幾人もの仲介人を経由して俺達組織に近づいたんだ。組織も念のためその人物のことを調べ上げようとしたが出来なかったんだよ!」
「本当に無能だなお前達組織は」
あきれた様子のレインに男は苦虫を噛みしめる。