王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
その支持も先々代国王の暗殺未遂という大罪を犯し、今や見るも耐えない状況になってしまったが……。
国王の拒絶の言葉にレインは口元に冷笑を刻むと、クククと小さく笑い声を洩らした。
「害をもたらす、か。その害をもたらす者のおかげで国王陛下、貴方様は守られているのですよ」
レインと国王の間に緊張が走る。
兵士たちは手にしている槍に力を込め、いつでも飛びだせるよう最善の注意を払っていた。
「王宮防衛魔術師部隊の設立。魔法防護壁の展開理論の提唱と魔法陣の作成。全て我々氷眼の民が作り上げたものです。国王陛下をお守りするために」
王宮には『王宮防衛魔術師部隊』と呼ばれる部隊があり、メンバー全員が優秀な魔術師で構成されている。
王宮防衛魔術師部隊の仕事はその名の通り王宮の防衛。
彼らは王宮の地下深くに展開されている巨大な魔法陣に魔力を注ぎ、王宮をすっぽり覆い尽くす『魔法防護壁』を展開させ、あらゆる外敵からの攻撃に王宮を守り抜く。
王宮が度重なるドラゴンの侵略に耐えられたのも、全て王宮防衛魔術師部隊と魔法防護壁のお陰である。