王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
岩竜

日が昇り、洞窟から二人の少年が顔を出す。


日が出ている間にベリル達との合流を図る。


意気込んでいるユリエスとは裏腹に、レインはどこか深刻そうな表情をしていた。


まだ体力が完全に回復していないのだ。


魔力と体力は密接に関係している。


魔力の消費は体力の消費と同義。


成長段階であるレインは、人並み外れた膨大な魔力を持っていても身体が魔力に追い付いていないため、すぐにバテてしまうのだ。


持久戦に乏しいレインにとって、昨日の魔物の群れとの戦闘は予期せぬ出来事だったのだろう。


とはいえ立ち止まるわけにはいかない。


周りは敵だらけ。その辺の魔物や人間ならまだしも、もしここでドラゴンなどの上位種の魔物が現れたら勝ち目はない。


ユリエスは戦力外。レインにとっては足手まといでしかない。
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