王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―

先端から炎が現れ、それは渦を巻きながら巨大な炎球に変貌する。


「猛火球!」


ギリギリまで魔力を蓄積された炎球が、岩竜目がけて放出された。


直撃と同時に火柱が起こり、熱風が巻き起こる。


火柱が治まると、氷筍に囚われたままの岩竜の鱗が、熱しられて赤く染まっていた。


あれほどの業火の中でも耐えきっていた氷筍だが、岩竜の攻撃によって大きな亀裂が走っている。


もう持たない。


「やれ」


レインが獣兎に命を出す。


獣兎は二人を乗せたまま岩竜に突進を喰らわせた。


氷筍は折れ、岩竜の身体は宙に浮く。


突き飛ばされた岩竜。
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