王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―

これが氷眼の民の力……。


国王の頬に冷や汗が伝う。


レインはそれを見逃さず不敵に微笑む。


動揺を見せてはならない。


一国の主としてのプライドが、国王の精神を繋ぎとめていた。


「大事な兵に手をかけるとは、血迷ったか少年」


「少年にやられるような駒なら必要ないのでは陛下。それに死んではいませんよ。仮死状態になっているだけです」


いつまで仮死状態にいられるか分かりませんが。


最後にそう付け加えると、国王の顔から血の気が引いた。


この少年は本気だ。本気で兵を殺そうとしている。


そして、その気になれば私も―――
< 9 / 209 >

この作品をシェア

pagetop