王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
これが氷眼の民の力……。
国王の頬に冷や汗が伝う。
レインはそれを見逃さず不敵に微笑む。
動揺を見せてはならない。
一国の主としてのプライドが、国王の精神を繋ぎとめていた。
「大事な兵に手をかけるとは、血迷ったか少年」
「少年にやられるような駒なら必要ないのでは陛下。それに死んではいませんよ。仮死状態になっているだけです」
いつまで仮死状態にいられるか分かりませんが。
最後にそう付け加えると、国王の顔から血の気が引いた。
この少年は本気だ。本気で兵を殺そうとしている。
そして、その気になれば私も―――