王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
感謝の言葉
気が付くと、ユリエスの背中の上だった。
意識が朦朧としているが、次第に何があったのか思い出そうと記憶を探る。
レインは岩竜を倒し、獣兎を元いた世界に帰した瞬間にまた倒れたのだ。
連戦に召喚。さらに高圧相氷という高度な魔法。
十歳の少年にはキツイ出来ごとの連続。倒れない方が不思議だ。
ユリエスの背でモゾモゾと動くと、目を覚ましたことに気付いたユリエスが声をかけた。
「お疲れさん」
「僕は一体……」
「またぶっ倒れたんだよ。獣兎を戻した瞬間にバタンってな」
「そうか」
記憶が曖昧でよく思い出せないが、岩竜を倒したことだけは思い出した。
ドラゴンの劣化種でこの様。