王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―

そう思ったユリエスは自分の頬を摘まんだが、普通に痛みが襲ってきた。


夢ではない。これは現実。


「お前、今ありがとうって言ったのか?」


だとしてもやはり信じられない。


明日は大地震でも来るのか?


「なっ、二度も言わせるな馬鹿! それに僕が感謝したのはお前ではなくアルベストゥスだ! マスターキーがなければ、お前なんか必要価値など皆無のロクデナシだ!」


やっぱり可愛くねー。


少しは素直になったと思ったら、すぐに毒を吐く。


こういう性格の奴ってなんて言うんだっけ? 確か―――


「ツンデ……ツンデレイン?」


「何か言ったか」


「なんでもないですよご主人様」
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