続・彼女が愛した温もり
翌日、眠るラヴを置いて
家を出た。
小さめの花束とメロンを持って
唯さんの病室に行った。
もう1ヶ月たつのに唯さんは家に帰りたくないと入院し続けている。
私のせい‥かもしれない。
コンコンっ‥
『‥どうぞ‥』
暗い声の応答があり部屋に入ると
私を見ても嫌そうな顔も嬉しそうな顔もせず無表情に壁を見つめる唯さんがいた。
『唯さん‥』
『なぁに‥?』
暗い暗い声が虚しく響く。
『メロン食べません?』
メロンを持つ左手を上げると唯さんは見もせず
『リンゴ‥リンゴが良いな‥』
小さな机に置かれたリンゴを見つけ手に取り椅子に座った。