続・彼女が愛した温もり
『ゴメンな・・』
突然の謝罪におもわず顔を上げた。
申し訳なさそうに私の頭を撫でる手が少し震えていた。
なぜ謝まるの?
私は幸せばかりもらっているのに。
謝られる事なんか少しもないよ。
『妊娠して後悔とかないか?
本当にないか?
友達と遊びたかったなーとか、
まだ学校生活楽しみたかったなーとか』
『じゃあ、私が堕胎するって言ったらコーキ賛成した?』
コーキは黙って首を横に振った。
『私はコーキの優しさとか温もりとか凄く好きなの
顔カッコイイけどそこに惚れたんじゃないんだよ
好きな人に抱かれて愛されるのは幸せなの
私、嬉しかったんだよ?
今時ねセックスって避妊出来るから快感を優先しすぎて避妊するじゃない?
結婚してないカップルは特にね。
本当に嬉しかったんだよ
避妊とかせず私をちゃんと愛してくれた
幸せなあの時間に出来た子供を堕胎なんて絶対にしない
私は学校生活を楽しむよりも
出産する事が自分の幸せなんだって思う』
コーキの目を見て言ったあと
ギュッと抱き寄せられた。
大好きな人の香りに包まれて目を閉じた。
『愛してる・・』
耳に囁かれた言葉に涙が溢れた。
私は
私の運命は
きっと、ママとパパの離婚だったんだと思う。
そして、逃げてホテル街でナンパされてコーキに連れられて
この先が妊娠だったんだと感じる。
だから、出会えた事に
好きな人との赤ちゃんを授かった事に
感謝をしなきゃいけない。
コーキの胸に体を預けて考えていた。