FORTH〔前編〕

「今は巡回なんじゃ…」


仕事の最中に
いいんだろうか…


「平気平気!
後は報告書書く
だけだからな」


舵はニカッと笑った



「あたしは…待ってる」


あまり彼等に深入りすれば
抜け出せなくなる
関わるのが恐い



「つまんないだろ
そんなの!」



舵はあたしの手を掴んだ




「離せ!!!」




無意識のうちに
手を払っていた





舵も驚いたように
固まっている





「セナ?どうしたの…?
なんでそんなに…イタイ
イタイなの…?」




稟音はあたしの
手を掴んだ





ドクン




稟音の心の声が
繋がれた手から流れてくる





< 125 / 166 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop