FORTH〔前編〕
「今は巡回なんじゃ…」
仕事の最中に
いいんだろうか…
「平気平気!
後は報告書書く
だけだからな」
舵はニカッと笑った
「あたしは…待ってる」
あまり彼等に深入りすれば
抜け出せなくなる
関わるのが恐い
「つまんないだろ
そんなの!」
舵はあたしの手を掴んだ
「離せ!!!」
無意識のうちに
手を払っていた
舵も驚いたように
固まっている
「セナ?どうしたの…?
なんでそんなに…イタイ
イタイなの…?」
稟音はあたしの
手を掴んだ
ドクン
稟音の心の声が
繋がれた手から流れてくる
.