FORTH〔前編〕
あたしの心配ばかりして
なんて優しい子なんだろう
「ごめん……舵…稟音…」
セナは頭を下げた
「気にしなくていい
セナにもなんかこう
いろいろあんだろ?」
舵は優しく笑って
セナの頭を撫でた
「行こう?セナ!」
稟音があたしの
手を引っ張る
「ほら手!迷子に
なるだろ!」
舵は悪戯に笑った
「あたしはもう18だ
迷子にはならない!」
あたしは舵を睨むけど
舵は嫌な顔せず
あたしの手を掴んだ
.