ラブミーアゲイン


『やんちゃ坊主のキミタチでも、桑田組、っていう名前は知ってたりするのかな?』


にっこり。優男風なのに威圧感のある男はそう言った。




その当時、俺は暴走族に入っていた。


わかりやすくグレていて、両親も学校の先生も手を付けられないような悪ガキだった。

バイクのエンジンをふかし、近所を走り回って、喧嘩して。

それが凄いことだなんて思ったことはない。多分、俺と同じように頭が空っぽだった当時の仲間たちだって、そんなことは思っていなかっただろう。


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