学園ぷりんせす


「いや、何でもない…」


そう言うと、上原くんは徐々に私に近づいてくる。
これは…せ、接吻…!?

目を閉じ、唇を噛み締める。
…何もしてこない。

すると頬に上原くんの指先が触れた。

体がビクッとした。


「まつげとれた」

「まつげ……」


気が緩んで、肩の力を落とす。


「…何で俺、好みのタイプの真逆の奴好きになるんだろうな…」

「へ?」

「自分大切にしない奴嫌いなのに、なんでお前だけは別なんだ?」


「お前だけは別」という言葉に一気に体が熱くなる。



.
< 145 / 151 >

この作品をシェア

pagetop