鏡の中の私
やがて舟は異世界と繋がる、いやこの世界の出口に到達した。
出口には係員がいて、何やら機械を操作しているところを見ると、この扉は先程の大きな扉とは訳が違うらしい。
すると係員の1人がこちらに近寄ってきた。
「失礼ですがIDチップのご提示願います。」
「はい。」
私はそう言って右腕の内側を見せた。
係員は専用の機械をかざして、そのなかに埋め込まれているチップの情報を確認した。
「ありがとうございました、ソフィア様。出国の手続きを致します。」
「あ、あの!」
順調に進んでいた作業は中断した。
「わたし、これからどこに行くのかしら。」