Color
コバルトブルー 〜蓮児side〜
TOMATO のマスターになって2年。
月日の流れとともに性格的にも幾分丸みを帯び、少しはマスターらしくなってきた、と最近思えるようになった。
「蓮児~、誰か女の子紹介しろよ~、かわいい子。」
。。ったく。
店に入ってくるなり挨拶のように聞くいつものセリフ。
「おまえなぁ。。」
振り返るといつものごとく気だるそうに、カウンターに肘をつきながら座る瀬戸の姿がある。
瀬戸 崇とは腐れ縁みたいなもんだ。
若い頃から一緒にバカなことばかりしてきたが、サラリーマンとなった今はほぼ毎日の数時間をここで過ごしている。
話題はもっぱら仕事のグチか女の話だ。
「だってオマエ、いっぱい女の子知ってんじゃん。一人くらいまわせっての」
「紹介できるほど深く関わってる女はいねぇの。大事なのは顔と身体だけだし。あ、あと相性か。」
いつからだろう。
愛だの恋だのという“人生の楽しいイベント“にはなんの興味もなくなっていた。
「お盛んなこって」なかば呆れ気味に瀬戸が言う。
「それに最近はそんな女もいねぇよ」
そんな俺の言葉は意外だったのか、「へぇ?」と瀬戸は少し驚いたような顔をした。
そりゃそうだ。ここにきたばかりの頃は住む所もなく、入れ代わり立ち代わりで違う女の家に転がり込んでいた。
1、2ヶ月同じ家にいた事もあったが、大体は、その日居た家と帰る家が違っていた。
自分の家ができてからも、つい最近まで似たような毎日を送っていたのだ。
瀬戸はそんな俺を一番良く知っている。
「しばらく女はいいよ」そんな俺の言葉に瀬戸は更に目を丸くする。
「なんかあった?」
眉間に軽くシワを寄せ、やけに心配そうな顔をする瀬戸に思わず笑ってしまう。
「何もないよ。ただなんとなく。」
「へぇ?」瀬戸はもっと聞きたそうな顔をした。
でも本当に何もない。
本当に、ただなんとなく、なのだ。
しいていえば、たとえ一瞬でも、恋愛ゴッコを演じる自分に嫌気がさした、といった感じだ。
まぁ、そんなたいそうなモンじゃないんだが。
月日の流れとともに性格的にも幾分丸みを帯び、少しはマスターらしくなってきた、と最近思えるようになった。
「蓮児~、誰か女の子紹介しろよ~、かわいい子。」
。。ったく。
店に入ってくるなり挨拶のように聞くいつものセリフ。
「おまえなぁ。。」
振り返るといつものごとく気だるそうに、カウンターに肘をつきながら座る瀬戸の姿がある。
瀬戸 崇とは腐れ縁みたいなもんだ。
若い頃から一緒にバカなことばかりしてきたが、サラリーマンとなった今はほぼ毎日の数時間をここで過ごしている。
話題はもっぱら仕事のグチか女の話だ。
「だってオマエ、いっぱい女の子知ってんじゃん。一人くらいまわせっての」
「紹介できるほど深く関わってる女はいねぇの。大事なのは顔と身体だけだし。あ、あと相性か。」
いつからだろう。
愛だの恋だのという“人生の楽しいイベント“にはなんの興味もなくなっていた。
「お盛んなこって」なかば呆れ気味に瀬戸が言う。
「それに最近はそんな女もいねぇよ」
そんな俺の言葉は意外だったのか、「へぇ?」と瀬戸は少し驚いたような顔をした。
そりゃそうだ。ここにきたばかりの頃は住む所もなく、入れ代わり立ち代わりで違う女の家に転がり込んでいた。
1、2ヶ月同じ家にいた事もあったが、大体は、その日居た家と帰る家が違っていた。
自分の家ができてからも、つい最近まで似たような毎日を送っていたのだ。
瀬戸はそんな俺を一番良く知っている。
「しばらく女はいいよ」そんな俺の言葉に瀬戸は更に目を丸くする。
「なんかあった?」
眉間に軽くシワを寄せ、やけに心配そうな顔をする瀬戸に思わず笑ってしまう。
「何もないよ。ただなんとなく。」
「へぇ?」瀬戸はもっと聞きたそうな顔をした。
でも本当に何もない。
本当に、ただなんとなく、なのだ。
しいていえば、たとえ一瞬でも、恋愛ゴッコを演じる自分に嫌気がさした、といった感じだ。
まぁ、そんなたいそうなモンじゃないんだが。