たった一人の親友へ
ママは友香が目を覚ました時にこう言ったの。


「二学期最初のテスト受けられなかったね」


お姉ちゃんいつか言ったよね?

友香はママに愛されて良いねって。


お姉ちゃん。友香ママに愛されてなんかいないよ?


ママはあたしをロボットみたいに思ってるだけ。


それに友香が逆らわずに従ってるだけ。


それが精一杯の友香が出来る方法だったから。


いつの間にか寝る方法も忘れちゃった。


食べ物に走ってもすぐ気持ちが悪くなって、吐いちゃう。


友香病気なのかな?


そう思っても誰にも言えなかった。


言ったらまたお姉ちゃんやママに嫌われちゃうと思ったから。


心の中に言いたいこと貯めるのが癖になってた。


そしたらね


ある日ぷつんって頭の線が切れたの。


それからは何にも記憶がない。


自分が暴れた記憶も


何かを叫び続けた記憶も


病院に運びこまれた記憶も


何にも覚えてない


全部ママから聞いたこと


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