たった一人の親友へ
「何で謝るかなぁ…。さなの悪い癖だよ。

何かあった?ん?

別れ話以外なら聞いてあげる」


びくっとしてあたしは彼を見た


「何?
本当に別れ話なの・・?」

悲しそうに笑う隆也


「隆也・・あたし・・あたし・・・

ごめんなさい。

もう隆也とは付き合えない・・・。」


長い長い沈黙

静寂仕切った部屋の中は

あたしのしゃくりあげる声と、鼻水をすする音だけ


やがて彼はこう言った


「俺言ったよね。別れ話以外なら聞くって。

さなは勝手すぎるよ。

何でだよ!?

今まで頑張ってきただろ?

それが何だよ。

今更そんなこと言わないでくれよ・・。」





分かってる

そんなこと自分が一番分かってる

あたしの身勝手さで隆也がたくさん

たくさん

たくさん傷ついてきたこと


隆也は辛くても

決して口には出さないもん


どうやったら伝わる?

あたしの気持ち

ここで別れることが一番の方法だと思ったの

あたしは間違ってる?

ねぇ。隆也

あたしはどうすればいのかな…






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