たった一人の親友へ
あたしは隆也の訴えに対して

何も言えなかった


隆也に伝えられる言葉が見つからなかったから



「なぁ。

何か言えよ。

無言なんて卑怯だろー」


そう


あたしは卑怯だよ


翔のために隆也を利用したの


利用して捨てる


あたしはそんなやつだよ


心の中の声


決して口には出せない


「さな?

どうして俺と別れようと思った?

言ってくれなくちゃ分かんないよ」



「あたし…

好きな人のこと忘れられない…

隆也と一緒にいれば、いつかは忘れられると思ってた

でも…でもね…忘れようとすればするほど好きになっていくの。

このままじゃ隆也のこと傷つけるばっかだよ

もうやめよう?こんなこと」




「……………。

何でだよ…

だって翔彼女いんじゃん。

何でまだ好きなんだよ」


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