たった一人の親友へ

「俺はずっと待ってるって言ったじゃん。

たしかに辛い時期もなかったとは言わないよ…

でもやっぱりさなのこと忘れるなんて無理だよ

反対に聞くけど…翔とさなが付き合える確率ってある？

翔はお前のこと友達としか思えないと思うけど…」


そうだね


そうだよね


翔と付き合える未来なんてあたしには持ってない


また現実を見てしまった


他人に言われて初めて形づく翔とあたしの関係



あたしが呆然としていることに焦ったのか


「ごめん。

言い過ぎた。

ごめんな。お願いだから泣くなよ」


それでも涙は止めどなく溢れ

気がついたら隆也の腕の中に自分がいた