たった一人の親友へ
お互いの顔を見合い


あたしも


ゆいちゃんも


驚きを隠せなかった


「あの…これは…

昨日遅くなっちゃってたまたま……」


あたし何弁解してんだ?


ゆいちゃんは何かを悟ったように


「そういうことだったんですね…」って




明らかに誤解してるし…。



確かにその時のあたしの格好は

シャツのボタンがはだけきって

髪も寝癖状態


そういう風に思われても仕方がない


「違うの!本当に!

あたしいっつもこんな感じだから」


我ながらバカだなぁって思うけど


こんな形で誤解はされたくなかった


「いいんです。別に。

どうせ別れたんだし…

それじゃぁ」


目には涙をためて


ゆいちゃんは走り去って行った


その後ろ姿を見ながら


あたしは翔に何て言おう…。



それしか頭になかった


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