たった一人の親友へ
そこで切れたメール。
でもこの先に続く言葉なんて一目瞭然だ


このメールを読んだ時の気持ち


口でも文でも表せられない


でもこのメールのおかげで解けない問題が解けたの



“あたしとゆいちゃんどっちが大切?”


“あたしが翔に告白したら何かが変わる?”




何の意味も持たない問い掛けたち


答えは簡単


ずっと前から答えなんてすぐそこにあったのに


あたしが気付かなかっただけ


気付こうとしなかっただけ




“世界で一番”




あたしとゆいちゃんに向けられる


「好き」の重さなんて初めから全然違ったのに


気付かなかったあたしがバカなだけ


淡い期待を持ってたあたしがバカなだけ




気がついたら


あたしは翔の家を飛び出してた






“失恋”という


大きな傷を抱えながら


あたしは狂ったように


どこかに向かって


走っていた


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