たった一人の親友へ
何で素直になれないんだろう


別れてから何度隆也に連絡したいと願った?


その度に手を止め


隆也を忘れようとした


きっと隆也はあたしのことなんて忘れて


あたしのいない日々を普通に送ってる


そう思って


気持ちを押し殺した


でもね


こうやってあたしのことを心配してくれて…


隆也


ありがとう


それだけでもあたしは救われるよ


こんな大きな感謝を言葉で伝えられない自分が本当に悔しい




夕方になり、リビングから友香の声

「お姉ちゃ~~ん!!隆ちゃん帰るよ!!」


それでも足が動かない


出たのは


「うん。」


という声だけ


「じゃぁ。友香ちゃん。また分かんないことあったら聞いて。」


隆也の声が聞こえる


言わなくちゃ


伝えなくちゃ


心だけが焦って行動に移らない


< 173 / 265 >

この作品をシェア

pagetop