たった一人の親友へ
それから一週間がたった


誰もあたしに翔のことを言う人はいない


あたしもあえて聞かなかった


だって翔が死ぬはずなんてない


そのうちひょっこり顔を出すに決まってる


そう思い込もうとしてたから




事故にあって


一番驚いたこと


それは母がお見舞いに来ることだった


そんなにいつもいつも話しているわけではなかったけれど


あたしたちには分かってた


母とあたしの関係が


少しずつ修復されようとしていることを




このこと翔に報告しなくちゃなぁ


聞いたら何て言うんだろう?


そんなことを思いながら


あたしは母に思い切って聞いてみた










「ねぇ、翔はどうしてる?」

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