たった一人の親友へ
お母さんはあたしを見てこう言った


「さな。これからあたしが言うことちゃんと聞いてね。

気を確かに持つのよ」


「…?」




今思えば


ずっと前から分かってた


多分


あの事故にあった瞬間からずっと


ただ認めたくなかっただけ


認めるのが怖かっただけ




あたしは弱いから


翔がいなくちゃ何も出来ないような子だったから




答えなんていらない


約束なんていらない


あたしは


ただあなたに笑っていて欲しかっただけ

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