たった一人の親友へ
「あの日さなたちのバイクと衝突した車、飲酒運転だったらしくて…

真正面からぶつかったでしょ?

だから・・・翔君ね

打ち所が悪くて・・・・




即死だったのよ・・・」



即死?


誰が?



「だからね…さな。

あなたは生きてるんだから…

ちゃんとこの命大事にしなくちゃね…?」


「うそ…何言ってんの?

翔が死んだ?

お母さん、悪い冗談やめてよ!!」


笑っていったあたし


「…さな。

そうよね。信じられないわよね。」


「信じるもなにも・・・

やめてよ!!そんなこと言うのやめて!!

じゃぁどうしてあたしは生きてるの!?

何で死んでないの??

どうしてあたしだけ生き残って、翔は死ななくちゃいけないの!?

不公平じゃない!!


嘘でしょ?

ねぇ。お母さん。

嘘なんでしょ?」


母は悲しそうにあたしを見ていた


「嘘じゃない。

翔君は亡くなったの。
もうここにはいないの。」


翔が死んだ・・・


嘘に決まってる





あの笑顔


もう一度あたしに見せて?

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