たった一人の親友へ
毎日意味のない自問自答を繰り返しては


自分を責め続け


泣いた


こんなことしたって翔が戻ってくることなんてないのに


何かしていなくちゃどうにかなりそうだった



毎日お見舞いに来てくれる友香と隆也。


けんたと和歌子だって週に何回も来てくれた


それなのにあたしは


冷たい態度しかとることができない


恩知らず


ただ甘えてただけ



あたしのこと分かるならほっといてって


自分で死ぬ勇気もないくせに


何度も何度も病院の屋上から飛び降りようとして止めたくせに


わがままだよね


不思議なことに


翔が亡くなってから


あたしはどれだけ翔のこと好きだったか思い知らされた


毎日毎日好きになっていく


死んだ人のことをバカみたいに思って泣く日々


“好きになるって幸せなこと”


それを信じる日が来るのはいつになるんだろう

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