たった一人の親友へ
退院日当日


隆也にドライブに誘われた


「見せたい場所があるんだ」


そう言って隆也はあたしを助手席に乗せた




退院という安心感からか


あたしは目的地までの少しの間眠りに着いた




「……な……!さな……
さな!!着いたよ」


「えっ?」


窓の外から見えた景色




それは


あの日


あたしと翔を引き裂いた


運命の海


もう二度と見たくもない


死の海



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