たった一人の親友へ
未来
家に帰ると


母と友香が待っていた


「退院おめでとう」


何年ぶりかの三人の食事


母は泣いていた


「さな、友香

ごめんね

お母さんずっと逃げてた

これからお母さん頑張るから

もう一度よろしくね」


もうあたしも友香も分かってた


母にだって辛いことはたくさんあったんだと思う


みんな何かしらの試練に耐えて


こうやってまた原点に戻ってくる


家族


今やっとそう呼べる


あの日のハンバーグは


どこのレストランにも負けないくらいおいしかった


やっと味わえた


母の味だったから

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