たった一人の親友へ
彼女
中学二年になった私たちは相変わらず同じクラスで、いつも四人でいた

そんな平凡な日常にちょっとした変化


翔に彼女ができた

学年で一番可愛い愛子ちゃん

見た目のまんまに女の子っぽい愛子ちゃんは
あたしの最も苦手なタイプだった



翔は毎日幸せそうで
あたしなんか目に入らないくらい、愛子ちゃんばかり見てて



あたしは毎日イライラしてたんだと思う



翔の口から“愛子”って名前が出る度に泣きそうで



あたしの親友とらないでよって





この時はまだ自分の気持ちになんて気付いてなかった


あたしがこの気持ちに気がつくのはまだずっと先のこと




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