たった一人の親友へ

「手紙」



翔へ


こんなにちゃんと翔に手紙書くのって初めてだよね





翔が天国へ逝ってしまってからもう半年がたちます


時間が経つのはすごく早いね


正直今でも翔のことを忘れられない


翔には言えなかったけど


あたしは翔のことが本当に大好きでした


きっと中一の時あたしに声をかけてくれたその日から


あたしはあなたに恋をしていた


あの時あたしがあなたに気持ちを伝えていたら何か変わっていた?


違うよね


あの時あなたがあたしに少しでも気持ちがあったとしても


きっと上手くはいってなかったと思うの


あたしたちは“親友”っていう枠だからこそ、こんなに良い関係を築けたんだよね





翔、本当は気付いてたんでしょ?


あたしの気持ち


薄々感じてた


翔とあたしの微妙な距離


ただそれがあなたの優しさだって気付いていたから


あたしはあたしのままでいられたの
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