たった一人の親友へ
愛子ちゃんから話があるといわれたのは中三になったばかりの春のこと

翔と愛子ちゃんはもうすぐ付き合って一年がたつ

相談でもあるのかなぁ?なんて気楽な気持ちで
愛子ちゃんとの待ち合わせ場所に向かった



でも
険しい顔付きで待っていた愛子ちゃんから言われた言葉は
あたしが想像もしていないことだった


「もう翔と二人で会わないで」


正直ビックリした
あたしと翔の関係が他の誰かを傷付けてるという事実に

「二人でいる時にさなちゃんの話しばっかりされるの。私辛くて…
さなちゃんだって隆也先輩がいるじゃん。もっと先輩のこと考えてあげなよ」


愛子ちゃんに咎められながらあたしは

翔はこんな小さな肩を抱きしめてるのかな?とか
この子とキスするんだよなぁー、とか


違うことばかり考えてた



< 30 / 265 >

この作品をシェア

pagetop