たった一人の親友へ

喧嘩

愛子ちゃんに言われたことを、あたしは決して翔には言わなかった


何も言わず徐々に翔を避けた

そうするべきだって思ったのが半分

翔の反応が知りたかったっていうのもある


たった一週間話してないだけなのに、すごく寂しくてどうしたらいいか分からない焦燥感にかられた



何度も何度も翔に電話をかけようとしてる自分を抑えて


それでも

どれだけ自分が翔を必要としてたか思い知らされただけだった


そんな時めずらしくけんたからの着信


「もしもし?」

「……。」

「もしもし?けんたー?」


「さな?おれだけど」



声の主は翔だった

「何で最近俺のこと避けんの?おまえまた隠し事かよ?あん時約束したじゃん。何でも話すって」

翔は明らかに怒ってて

あたしはただただ黙ってて

「とりあえず話あっから事務所来て」

ブチッ
ツーツーツーツー



あんなに怒ってる翔は初めてで

あたしはどうしたらいいのか

頭がパニック状態



それでも身体は勝手にいつもの事務所に向かってて
自分で自分がよく分からない

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