たった一人の親友へ
目の前にあたしが死ぬ程会いたかった翔がいる


「入って」

いつものあたしの定位置に座る

白いソファーの端っこ

あたし専用の座布団がひかれてる


「ぐちゃぐちゃ言うの面倒だから単刀直入に聞くけど、何で俺のこと避けてたんだよ?」


「…………」


「何で無言になるわけ?なぁ?聞いてんの!?」






翔の言葉の一つ一つが胸に突き刺さる




もう耐えられなかった
これはあたしのせいじゃないって現実から逃げたかったの


あたしは決して言ってはならないことを話してしまった



「愛子ちゃんが………。」



話したらどうなるかは、分かってたのに


どこかでそうなることを期待してた













あたしそんなに良いやつじゃないんだよ


最後の最後まで嘘つかせてごめんね





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