たった一人の親友へ
隆也はキス以上は手を出すことはなかった

だから時々不安になって

あたしに魅力がないのかな?なんてね(笑)



一度だけ聞いたことがある

「隆也はあたしとキス以上のことしたいと思わないの?」って

そしたら隆也は「そんなこと毎日思ってるよ!」って笑いながら言ってた


「じゃぁ何で?」

「お互いの気持ちがちゃんと通じたらしよ」


その時は隆也の言ったことの意味がよく分からなくて

「もう通じてんじゃん」

なんて冗談言った気がする





今なら隆也の気持ちが痛いほど分かる

それが隆也の精一杯の優しさだったのに

その時のあたしは気付くことさえできなかったんだから



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