たった一人の親友へ

過ち

高校生活は順調だった

夏とは日に日に仲良くなっていくし

クラスの男子とも気軽に話せるようになった


それでもあたしの心の中は満たされなくて

ふとすると翔とゆいちゃんのことを考えてしまう


そんな様子に気付いたのか、夏はあたしのことをすごく気遣ってくれて

「あたしでよければ話聞くよ?」って

すっごく嬉しいけど・・・


でも言えない


和歌子にだって

けんたにだって

言えない秘密だもん


夏は勘がすごく良いと思う

あたしが困ったような顔をすると、絶対それ以上は何も聞かない




そんなある日の帰り道

夏と一緒に帰ってると

前から長身の男性が近づいてきて

こっちに向かって手をふってきた



「なつ~~~!!!」


「ん?
あっ。たくちゃん!」




たくちゃん…


たくちゃん…?


たくちゃん!?!?



夏の彼氏じゃん!!!!!!




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