たった一人の親友へ
教室に入ったあたしを見るなり、みんなぎょっとした顔付きになる

そしてひとしきり状況を把握すると


「大丈夫?
先輩サイテー
元気だして!
保健室行こう?」


たくさんの同情の言葉が浴びせられた

何を根拠にそんなこと言えるの?
みんなあたしの何を知ってるの?


そんな中偽りの自分はみんなの輪の中で涙を流してた

みんなの同情は増していく

あたしはこてこての悲劇のヒロインを演じる

いつのまにか涙さえ偽りになってて、あたしは劇の主役を演じながら心にぽっかり空いた穴を感じずにはいられなかった

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